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「マグナーニ-MAGNANI」を5年ほど履いた感想。魅力と魔力を感じる革靴

こんな方にオススメ記事
  • マグナーニについて詳しく知りたい方
  • 一生付き合える革靴を探している方
  • 新品のマグナーニが5年後どうなるのか知りたい方

「マグナーニ-MAGNANI」という革靴のブランドをご存じでしょうか?

非常に美しく魅力のある革靴ですのでご紹介したいと思います!

目次

マグナーニの歴史

「マグナーニ-MAGNANI」はイタリアブランドと思われている人がいますが、スペインのブランドです。ブランド名「ブランガル」を経て、現在の「マグナーニ-MAGNANI」に至ります。

マグナーニはイタリア、フランスなどの世界的に有名なタンナーであるイルチア、アノネイなどの高品質なヌメ革などを使い、エレガントな革靴作りで世界的に有名なブランドです。

日本には2000年代に入ってから上陸し、多くの百貨店で取り扱われています。マグナーニは艶やかな高級感のある見た目」、「デザイン性の高さ」、「快適な履き心地の良さ」があるイタリア・イギリス・アメリカなどのトップブランドに引けをとらないスペインの有名ブランドで、素材は全てにグレードが高く、ラスト、色入れ、エレガントなデザイン性など、細部に至るまで職人の拘りが詰まっています。

また、マグナーニといえばオパンケ製法がマグナーニの代名詞でもあります。オパンケ製法は、ソールをウエスト部分にグイッと持ち上げた製法。見た目が特徴的でもあります。

一生付き合える革靴とは?

基準その①:「作りの良さ」

革靴にはさまざまな作り方(製法)があり、この製法の違いによって革靴の寿命は大きく変わってきます。良い製法で作られていれば、経年変化を楽しみながら長く履くことができるので、革靴を選ぶ上で重要になります。
長く履けるかどうかは、修理して何度もソールを交換できるかにかかっています。ソールが交換できる主要な製法は「マッケイ製法」「グッドイヤー・ウェルト製法」そして「ハンドソーン・ウェルト製法」です。

それぞれの製法の特徴をまとめると、下の表のようになります。

マッケイ製法イタリアで発達した製法。履き始めから柔らかい。その一方で、ほかの製法に比べてソールの交換が可能な回数が少なく寿命が短い。
グッドイヤー・ウェルト製法イギリスで発達した製法。履いていると足の形に合わせて馴染んでくるため、歩いても疲れにくい。ただし、履き始めが固い。
ハンドソーン・ウェルト製法イギリスで主流だった手縫いの製法。履き始めから柔らかく、また足に馴染みやすいので疲れにくい。手間がかかる製法のため、比較的高価になる。
製法による違い

革靴は、これら3つの製法で作られていることが多いです。

基準その②:経年変化を存分に楽しむための「革質の良さ」

「革質の良さ」です。革質が良いと、キラキラとした自然な光沢があります。また、手入れをすればするほど色艶が増してきます。さらにいえば、質の良い革はしなやかで丈夫なため、長年履いてもひび割が発生しにくいというメリットもあります。逆に、革質が悪いと表面には光沢がなく、また光沢があっても塗料で表面をコーティングして良い革に見せかけていることもあります。塗料でコーティングされた革には不自然な艶があり、すぐにひび割れたり色落ちしたりするなど劣化も早いです。革が本来もつ自然な光沢があり経年変化を楽しめる質の良い革を使っているかどうか、これも革靴を選ぶときのポイントになります。

基準その③:決め手は、「オリジナリティ」

「作りも良くて革質も良い。でもなんだか、決定打に欠けるなぁ…」どれにするか悩んでいると、そんな風に思うことがあります。

それもそのはず、「クラシックシューズ」や「ドレスシューズ」という大きなくくりでみると、細かいところに違いはあれど、デザインはほとんど似ているものばかりです。ある程度の価格を出せば作りも革質も似てきます。もうどちらを選べば良いかさっぱり分からなくなります。そんなときに決め手となるのは、メーカーやブランドが持つオリジナリティーです。

ブランドのコンセプトがしっかりしていたり、あるいは独自の信念を持っていたりデザイン性など、最後の決め手になることも少なくありません。

基準に照らしてマグナーニ(MAGNANI)をレビュー

マグナーニ MAGNANI 革靴 ブラウン
「5年目」
マグナーニ MAGNANI 革靴 黒
「4年目」
「4年目」

基準その①:「作りの良さ」

基準その②:経年変化を存分に楽しむための「革質の良さ」

「マグナーニ-MAGNANI」は、ボロネーゼ製法と言われ、イタリア靴に多く見られるマッケイ製法から派生したと伝えられています。マグナーニは英国靴などに比べ細いフォルムなのですが、窮屈さは感じられません。というよりも、内側の革を袋状にすることで足先を優しくホールドしてくれます。『まるで靴下のまま歩いているようだ。』とか『皮製のスリッパのようだ。』などと言われ、コバが張り出していない、スタイリッシュなデザインを持ちながら、履き心地も両立しています。また、土踏まずを絞り上げる製法は、『見た目』だけの製法かと誤解されがちですが、アメリカ靴の重鎮『オールデン』にも見られ、ホールド感が増し、長時間着用していても疲れないという効果があります。ただ『オールデン』はソール全体をシェイプすることでフィット感を与えてくれますが、オパンケ製法の場合、土踏まずだけを別の革で釣り上げるという大きな違いがあります。完成までにおおよそ180工程ほどが必要とされ、限られたブランドのみが使える技術力のいる技法です。マグナーニでは2001年頃から取り入れられています。

5年以上履いていますが、革のへたりもなく経年変化を楽しめる革靴です。

基準その③:決め手は、「オリジナリティ」

マグナーニの濡れたような色調が物欲を掻き立てます。色入れの工程ですが、イタリア靴にもみられる技法で無垢の状態から色をしみ込ませていきます。もちろんすべて職人による手仕事です。同じブラウンであっても濃い・薄いを使い分け、職人ならではの勘が頼りの作業が続きます。時には数時間放っておくこともあるのだとか。

「マグナーニ-MAGNANI」は、土踏まず部分を引っ張り上げたデザインは先にも述べました。マグナーニのアッパー(甲革)のカラーリングは独特な風合い、印影、グラデーションがあるため、「人を惹きつける美しさ」があります。美しさを実現するために職人がアッパーに手作業で色付けをする「ハンドフィニッシュ方式」が用いられています。熟練の職人の色付けによって生み出される色彩、艶感、色ムラは芸術品とも言える美しさがあり、履く男性の品格を高めてくれます。

最後に

それは職人の気紛れではなく、計算なのです。気温や湿度の違いから、しみ込む様子をうかがっているのだそうです。

待っている間、近くでサングリアを一杯。またはシエスタを決め込む。スペイン人は、時間の使い方も陽気です。工程を重ねることで、最終章へ近づいていきます。ブラウン靴なのにトゥとヒール部分に黒を重ねる捻り具合に、ため息がこぼれます。製法上、コバが目立たない事もあってどこまでもソリッドな革の質感が伝わってきます。

まとめるとマグナーニの良さは、ボロネーゼ製法による履き心地の快適さ、独特の底付けのオパンケ製法、パティーヌによる美しいカラー、そしてクラシックの発想にとらわれない自由なデザイン、実用性の面と美しさを兼ねそろえる革靴であるといえます。

マグナーニ MAGNANI 革靴

マグナーニだけでなくペルフェットという革靴も愛用しています。

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